大体の小学生は、夏休みの宿題で読書感想文を書いていると思う。
大人になった私も、小学生の頃は6年間、毎年書かされてきた。
夏休みの宿題で一番嫌いで、夏休み最終日まで残していた宿題が、この読書感想文。
今思い出しても苦痛だったことしか覚えていない。
本を読むことは好きだけど
小学生の授業で、図書室で本を読む時間があった。
古い本に囲まれ、本の匂いを感じながら、静かに本を読むこの時間がとても好きだった。
図書カードみたいなものもあり、本を読むたびに、タイトルを記録していってどれぐらい本を読んだのかわかるのも、スタンプラリーみたいで楽しかった。
読書感想文を書くにあたり、課題図書というものがある。いわゆるオススメ本。
これも楽しいもので、普段自分が読まない本を読むせっかくの機会となる。楽しく読んでいた覚えがある。
だから、本に対しては苦手意識が全くない。
私が嫌いだったのは、感想文を書くことだった。
なぜ感想文を書くのが苦手なのか
文字数が多い
まず20字x20字で400字詰めの原稿用紙5枚書かなければならない。これがとても苦痛。文字数にして、2000文字。
いくら夏休みで時間があるからって多すぎる。大人でもこんな文字数滅多に書かない。
しかも文字を習いたて(なんなら漢字は習っている最中)の小学生が、自分の考えを言語化できるだろうか。
まだまだ小学生は、自分の感情を表現するのに慣れていない。慣れていないからこそ、練習のための感想文かもしれないが、それにしたって文字数が多い。
書く前から2000文字という時点で、読書感想文に対して嫌悪感があった。
書き方がそもそもわからない
遠足や発表会などがあったときにも、原稿用紙で作文を書かされていた。
その時は、ある程度書き方を習った覚えがある。
ところが、感想文は作文とは書き方が異なる。そのくせ感想文の書き方なんて聞いたことがない。
感想文なんだから、あなたの思った通りに書いてください。なんて言われて、すらすら書けるわけないじゃん!!!!
せめて、作文と読書感想文の違いぐらい教えてよ!!!
作文は実体験に基づいたものを書いていくので、比較的書きやすかった。ところが読書感想文は、読んだ内容についての感想だから、せいぜい「楽しかった」しかない。
読書って楽しければそれでいいじゃん。だから「楽しかった」以上の感情なんてないし、もっと詳しく書こうとしても、語彙力が2000文字も埋められるほどないから、書けない。
今は読書感想を書けているその理由
あんなにも読書感想文が嫌いだったのに、今は自分が読んだ本についてブログで感想を書いている。
どうして感想文を書けるようになったのかというと、
・語彙力が増えてきた
・文章力の向上を自分で目的とした
・読書の記録用
・自分でどれぐらいの文字数で書くか決められる
・世の中の誰かも同じ本を読んでいるという、謎の仲間意識が芽生える
先生に提出して添削してもらうわけではないから、文体は自由に書けるし、自分の好きな文字数で書いてもいい。
やはり大人になることで、手を抜くことを覚えてせいもあり、自分なりの読書感想を書くことができるようになってきた。
小学生の頃の読書感想文は今でも嫌な思い出だけど、その嫌な思い出があるから、こうやって自由に楽しく文章を書けている。
当時の私に言いたいのは、大人になってからも本は好きだし、感想を書くって楽しいんだよってこと。
そういえば、あまりにも読書感想文が嫌いすぎて、新たな試みとして絵本の感想文を書いていたことがある。
今でもはっきりと覚えている。一番書きづらい読書感想文だった。
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