羽田さんといえば、テレビでやっていたバス旅のイメージがあった。
テレビでおもしろいこと言う人だなぁ、とは思っていたけど、本業の著書を読んだことがなかった。
今年発売されたこの本をふと見つけたので、せっかくだし読んでみようと思い手に取る。
なかなか一気に読み進めることができなかった。
図書館で借りている本だから、どうにか期限内に読み終えることができたけれど、主人公の気持ちに自分を重ねてみると、息苦しくなってきてしまった。
多分主人公はずっと手元のお金で複利計算をするから、私もついつい今の手元のお金で考えてしまい、お金のことで頭がいっぱいになってしまったからだと思う。
米国株に投資している主人公
アメリカの株式市場が始まる時間になると、毎日アメリカ株をチェックする主人公。
目標金額は5000万円。5%の配当利回りで計算すると年250万円の収入があることになる。
こうして自分の代わりに稼いでくれる分身を作ることで、将来は仕事に縛られることなくお金を得る生活を目指している。夜寝る前は、複利計算をしながら眠る生活。
私も株をしているから、複利の計算や、配当利回りなどの考え方は理解できる。しかし、主人公の場合は、友達の結婚式に誘われても、投資に使うためのお金として残しておきたい気持ちが勝り、結婚式を蹴ってしまう。
おぉ、そこまでするのか、というのが私の正直な気持ちだった。
本当にこの主人公はお金のためなら、削れるものはとことん削るようで、自分が得をしないと思った費用に対しては、バッサリと切り捨てる。結局そのせいで、この結婚式に出席していた友達とは疎遠になってしまったが‥。
この物語でもちょくちょく言われているが、お金は使うべき時に使った方がいい、という考え方が語られている場面があり、私もこの考え方には大賛成。
そのために普段から、あまりお金を使わない生活をしている、ぐらいに思っている。
主人公の彼氏はズブズブに新興宗教にハマっていく
主人公の彼氏が、ムラという傍目から見れば危うい新興宗教にハマってしまう過程がある。その過程を物語を通して見ていくと、新興宗教というものはこうやって本人は知らず知らずのうちにハマっていくものなんだと感じた。
最初はコミュニティの動画を見るぐらいだったが、どんどんムラの新しい考え方にハマっていき、過疎化している村で新たなムラを作るために、移住を勝手に決めてしまう。
ムラでは法定通貨に変わる、シンライというものを交換しあって生活する。また、ムラでは現実にある新興宗教のような厳しい生活を送ることになる。
主人公はこの考え方は、全く新しいものではなく、むしろ通貨のない物々交換の時代に退化していると考える。なんなら、ムラの考え方はすでに過去にあった別の新興宗教と同じだった。
そして主人公も彼氏がハマっていく過程を見ているからこそわかることだが、もしかしたら自分も何かしらの宗教を信仰しているのかも、という思いが出てくる。主人公の場合は、お金こそ第一教、みたいな。
この考え方に、私はハッとした。新興宗教にハマっていく人のことをバカにしていても、実はその宗教のことをバカにする教、を信仰している信者の一人なのではないか。
自分の考え方こそ正義!と思ってしまうと、もはや他の考え方を許せなくなってしまう。だから他の考え方をバカにした態度になってしまう。
都度都度、第三者目線で自分を見つめていくことって大事だと感じた。
何を信じていても、相手の考えを尊重
結局彼氏はムラから抜け出すことに成功。抜け出す際には、主人公が本来であれば投資に使うお金を使って抜け出させた。
使うべき時に、お金を使うことができたことで、お金を失ってもスッキリした気持ちになったとのこと。
多分、使うべきところでお金を使うということは、そのことに対して自分なりに価値を見出しているから。価値のあることにお金を出すことは、全然悪いことではないし、そうするべきだと私は思う。
お金は確かに大事だけど、お金のことで頭をいっぱいにしてしまうと、いつかまたお金第一教にハマってしまうかもしれない。
投資をしている私がそうならないように、たまにはこの物語を思い出して戒めとしたい。
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