19歳になってから、親の勧めで教習所に通っていた。
勧められたから通っていただけで、本当は運転なんてしたくなかった。
それでも教習所には頑張って通って、なんとか免許を取得することができた。
免許を取得したからって、車の運転が好きになるかと思えばそうでもない。
むしろ大っ嫌い!
夜に運転する公道
昼と夜では全く景色が違う。
昼の方が歩行者もはっきりと見えて遠くまで景色を見ることができる。
ところが夜は昼に見えたものが全く見えない。
人も暗いと見えないし、遠くの景色は真っ暗で何が何だかわからない。
特に日が落ちてきて暗くなってきたけどまだ目視できるぐらいの日没具合(マジックアワーというらしい)の時に、自転車がライトを点けていなかったら、自転車が見えていないことがある。
そんな時は車が点けているライトに照らされた反射板を頼りに、存在確認をしないといけない。
この時ばかりは自転車に対して(ライト点けろや!轢いてまうやろ!!)とイライラしていた。
自転車も暗くなってからライトを点けていなかったら法律違反になる。
それでもライトを点けていない自転車を、ライトを点けている自動車が轢いたとしても、少なからず車にも責任があることになる。
そんな車を私は運転する気にはならなかった。どう頑張っても車の責任が0になることはないから。
教習所に通っている間も、できるだけ公道に出て練習する時は、昼の時間帯を狙って行っていた。
だって夜の道が怖いんだもん。
高速道路での練習
一度だけ高速道路に出て練習することがあった。
本来であれば、習う人が2人・教官1人で行うものだか、私の時はたまたま同じ時間に予約を入れた相手がいなかったこともあり、教官と2人っきりのドライブとなってしまった。
この時点で私は辞めたかった。誰が好き好んで教官とドライブに行きたいんだ。教官の目がずっと運転中の私に注がれることになるじゃん。嫌だ嫌だ。もう1人いたら教官の目を分散できるはずだったのに。
それでも私は運転席に座り、助手席に座っている教官に道を教えてもらいながら高速道路に乗って車を走らせていた。
高速道路が一番車のスピードが出ているので、その分ちゃんと周りの車と合わせて走らないと危ない。
日頃、後部座席に座って運転してもらっている時は頭ではそんなことわかっていたが、いざ自分が運転席で運転してみると、自分が車に乗っている人の命を握っていることに恐ろしくもなった。
なんとか行きの運転はクリアし、帰りの運転は教官に変わってもらい私は助手席に座ることになった。
この帰りのドライブも苦痛だった。仲良くもない教官の隣にじっと座っているのも辛い。話すことなんてないし、寝ることもできない。
教官が気を遣ってか、私にちょこちょこ話しかけてはくれた。
どうしても運転が嫌いな私の気持ちを察してか、教官からもこう言われた。
「車の運転なんてしなくても生きていけるよ。どうしても車移動しないといけなかったら、誰かに運転して貰えばいいし。」
確かに。運転のプロに任せてしまえば私は運転しなくて済むんじゃん。タクシーとかバスとか。
しっかりプロにお金を払って運転して貰えば、少なくとも私が運転するよりも事故は起きないだろうし、経済を回すことにもなる。
これで自分が高速道路を運転することは、もう二度とないだろう。
なんなら運転席にすら乗ることは二度とない。
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