【耳下腺腫瘍】手術当日!手術後は人生初の絶対安静【入院2日目/手術当日②】

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いつの間にか麻酔で眠らされていて、次に目覚めたときは、回復室だった。

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手術直後

回復室というのは、手術を終えた人が目を覚ましてしばらく様子を見るための部屋だ。

私が目を覚ました時は、普段の眠りから覚めた時のような感じだった。

切ったであろう左耳あたりは、特に痛さもなく(本当に切った??)と疑うほどだった。

でも体はたくさんの管で繋がれていて安易に動くことができない。やっぱりちゃんと手術をしたんだ。

ここで尿道カテーテルのことを思い出す。

太ももにチューブが当たっている感覚があるから、これは尿道カテーテル入れられているな。手術中に下着を脱がされてT字帯を付けられたんだ。ちょっと恥ずかしさがあったがもう後の祭り。仕方がない。

ピッピッという電子音が聞こえてくるのもわかってきた。心電図のモニターだろう。

麻酔科医「呼吸10回かぁ。ちょっと呼吸数少なくて心配だなぁ。もうちょっとここで様子見ようか。もしかしてまだ眠いのかも。」

私のことだとすぐ気づいた。自分の呼吸がいつもより少ないのは感じていた。麻酔から目覚めたばかりで、体は眠っているけど頭は起きてるみたいな感じになっていたのかもしれない。

ちょっと気を抜くと息をするのを忘れてしまうような感覚もあり、意識して深呼吸をする。

麻酔から覚めても体の中に麻酔が残っているから、早く出すためには深呼吸を意識すればいいと聞いていたし。

頑張って呼吸をしていたら、なんとか回復室から出られるぐらいにはなったようで、ベッドに寝かされたまま自分の部屋まで運ばれていった。

運ばれる時は超初期の乗り物酔いのような感覚があり(あまり大きく揺らさないで〜)と祈るような気持ちだった。

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絶対安静の2時間

部屋に戻ってからの2時間は絶対安静だった。起き上がることすらできず、ただただベッドの上で寝て過ごす。

その間も看護師や執刀医たちが様子を見にきてくれる。受け答えをしようにも、全身麻酔のチューブが喉に入っていたせいか、痰が絡むような声が出てしまう。

不織性マスクの上に酸素マスクをされていて、どうしても不織性マスクが鼻や口にベタっと張り付いてしまい息苦しい。

看護師にお願いして、不織性マスクを取ってもらうと、酸素マスクから風が入ってくるのを初めて感じた。

それでもなぜか血中酸素濃度は安定しているのに、息苦しさが残っていた。枕なしで仰向けに寝ていたので、看護師に枕を頭に挟んでもらい、右下になるように体を横向きに寝かせてもらう。これでだいぶ楽な姿勢となったようで、息苦しさも無くなった。

息苦しさがなくなってきたと思ったら、今度は右目がゴロゴロとゴミが入ったような違和感があり段々と痛くなって目が開けられなくなってきた。

どうやら全身麻酔中は自然と目が開いてきてしまうので、テープで目を塞ぐそう。そして麻酔から覚めるときにテープを外すが、まつ毛も抜けてしまいそれが目の中に入ってしまっていたようだった。

もう目の中にはまつ毛は入っていなかったが、長いこと入ってしまっていたせいで目が痛かったのだ。

ずっと目から涙が出てるのに、体が動かせないので拭き取ることもできずダダ漏れ。もう顔がぐちゃぐちゃだったと思う。

結局、抗菌作用のある目薬を処方してもらうことになった。

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尿道カテーテルを抜いてトイレに行ける

絶対安静の2時間が経過。

自力でトイレに行けそうなら、尿道カテーテルが外れるとのこと。

トイレに歩いて行けるか確かめる前に、飲み物を少し飲んでみて、飲み込みの力を見てみる。咳き込むことなく飲み物が飲めたら、自由にこれからは飲んでもいいらしい。

看護師にベッドをリクライニングで起こしてもらい、お茶を飲む。私自身麻酔から目覚めるのが初めてだったから、飲み込みの力が未知数だった。慎重に口にお茶を含み、ゆっくりと飲み込む。うん、普段通りとは言えないけど飲み込めそうだ。咳き込むこともない。これで飲み物は自由に飲めることになった。

次にゆっくりと足を地面につけて靴を履く。さらにゆっくりと体を起こして自力で立ち上がる。立ちくらみやめまいはなかったので、このまま看護師さんと一緒にトイレまで歩いてみる。

体には点滴、心拍も測るために胸から指先にコードが繋がっているパルスオキシメーター、首から出てるドレーンといった管が繋がっているので、それらは点滴台にぶら下げながら自分でガラガラと押して歩く。

トイレの前までゆっくりとだが歩けたので、トイレには自力で行けると判断。また自分のベッドに戻り、尿道カテーテルを外す準備をする。

ベッドに横になり、まずはパックに溜まっている尿を捨ててもらう。

看護師「深呼吸をしてもらって、息を吐いてお腹が凹んだ時にスッとカテーテルを抜きます。そうすれば痛さもなくすぐ抜けますから。あと男性よりも女性の方が痛さは感じないです。やっぱり男性の方が入ってる長さが長いので。」

そう聞くとなんだか安心だ。深呼吸をしてゆっくりと息を吐く。本当に一瞬でカテーテルを抜いてくれて、全く痛さもなく(ん?何かした??)ぐらいの感じだった。

人生で一番女性で良かったと思った瞬間だ。

顔面麻痺の感覚

(※傷の写真があります!)

執刀医が様子を見にきてくれた。手術の報告もしてくれた。

手術報告は下記の通り。

手術時間は3時間半。
しこりは3cmぐらいで大きい方だったので、しこりを取り除くと唾液腺が見えてしまい、そのまま傷口を閉じてしまうと唾液が傷口から出てしまう可能性があった。そこでしこりの近くにある胸鎖乳突筋という筋肉を薄く剥がして、唾液腺に被せている状態。見た目ではわからないので安心して欲しい。
そして耳たぶの神経は切断しているので、感覚がないのは一生続くだろう。
ただ顔面神経は切ることなく温存は成功している。手術中に神経には触っているので、顔の左側が麻痺しているはず。でも数ヶ月したら治ってくる。

耳たぶの神経を切ることはあらかじめ聞いていたから覚悟はしていたが、やっぱり感覚が一生戻らないことを実感すると寂しくも感じる。もっと耳たぶ触っとけばよかったな。

執刀医に両頬を触ってもらい、感覚の違いを確認する。

左頬はガーゼの上から触られているような感じがして(まぁ切ったあたりはガーゼしてるし、そりゃ感覚は左右差あるわいな。)と思っていた。

そして口をうー・いーと動かして、動きを確かめる。口の動きも、私の動かした感じは左右差がなく、いつも通り動かせていたと思っていた。

ところが夜になって、術後初めて鏡で顔を見ると、なんとガーゼなんてなく、サランラップのような透明テープを傷周りに貼っているだけだった。

つまり執刀医が触った左頬は、直接私の皮膚を触っていたのだ。

そして口の動きも鏡で確認すると、左唇が全くと言っていいほど動いていなかった。

あまりの自分の認識との乖離に驚き、10秒ほど私の思考は止まっていたように思う。

晩ご飯は完全流動食

手術をした日でも、ご飯は食べられる。ただし私は顔近くの手術で咀嚼が難しいので、流動食だった。

メニューは重湯にコーンポタージュ。

重湯なんて食べたことなかった。というより飲むという表現が正しいかも。それぐらい噛まなくても食べられるものだった。味はお粥風味のとろみのあるお湯と言った感じ。

私はコーンが苦手で、普段であれば頑張って食べるが、体が万全でない時はどうしても食べられない。コーンポタージュを一口ぐらい頑張ろうと思ったが、どうにも体が受け付けなくて手をつけずに残してしまった。

体にはまだいろんな管が繋がっていたので、自分でお盆を下げに行くことができず、看護師さんに下げてもらう。

看護師「重湯は全部食べられましたね。うんうん。よく頑張って食べました!」

重湯を全部食べただけで褒めてもらえるなんて。ちょっとしたことでも褒めてもらえる入院生活も悪くないかもしれない。

この日の晩ご飯から、飲み薬も始まった。ロキソニンと、ロキソニンで胃が荒れないための胃薬をもらう。

そして寝る1時間前には、抗生剤の点滴をしてもらう。点滴は明日もするから、点滴パックから管は外して、針は手の甲に刺したまま。

寝る前に熱を測ると37.5℃と微熱。手術をするとどうしても熱は出てしまうものらしいから、微熱で抑えられているだけマシかもしれない。

寝る時はパルスオキシメーターとドレーンの管に気をつけないといけないから、寝返りが打てず、1時間半おきぐらいにぼんやりと目が覚めて、体勢を少し変えてまた眠る。熟睡とまでは行かなかった。

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