まぶしいとくしゃみが出る。
太陽の光、蛍光灯、携帯のライト、車で暗いトンネルから抜け出した時、映画館に映る綺麗な雪景色…。
とにかくどんなものでも、まぶしいと感じたらくしゃみが出る。
この現象を何というか調べると、光くしゃみ反射というそのまんまの名前が出てきた。
光くしゃみ反射(ひかりくしゃみはんしゃ、photic sneeze reflexまたはlight sneeze reflex)とは、光刺激が誘因となって反射的にくしゃみが起こる現象をいう。屋内から晴天下の屋外に出た時や太陽の光が直接目に入った時など、まぶしさを感じると同時に起こる、この反射は日本人では約25%の人に現れる。優性遺伝によって子孫に伝えられると勘がられ、光くしゃみ反射を持つ家系では複数の家族が光くしゃみ反射を持つことが多い。
Wikipedia:光くしゃみ反射
光くしゃみ反射をもつ人のあいだでもくしゃみを誘発する光の強度には著しい個人差があり、太陽光が直接目に入った時のように強烈な光だけに反射を起こす人もいれば、室内灯の灯り程度の弱光でくしゃみをする人もいる。この現象がどのような体内のメカニズムによって起こるかについてはまだ十分に医学的に証明されていない。
日本人では4人に1人がこの体質らしい。意外と多く感じる。
そういえば私の父、兄、兄の子供が共にこの体質で、まぶしいとくしゃみが出るとは昔っから聞いていた。まさに親から子への体質の贈り物だ。
そんな環境にいたから、むしろ人間とはまぶしければくしゃみが出るもんだと思い込んでいた。
それが普通のことだと思っているから、誰かと改まって「まぶしいとくしゃみが出るんだよね」なんて話すことが今までなかった。だって当然のことだもん。
そんな閉鎖的な環境に新たな光を差し込んだのは、母の一言だった。
「普通はまぶしいからってくしゃみなんか出ないのよ」
そんなわけ‥ない‥‥
この一言を聞いたのは高校生の時。
衝撃だった。
むしろ母がおかしいのではないか、と思った。
私「え?今ついてる電気見たらくしゃみ出るやろ?」
母「出ないよ」
私「夏の暑い日に外に出たらまぶしくてくしゃみ出ないの?」
母「出ないよ」
私「映画館でいきなり雪景色が映ったらまぶしくてくしゃみ出そうにならないの?」
母「出ないよ」
ことごとく「出ないよ」としか返してこない。壊れたレコードか、という比喩表現はまさにこのこと。
そして最後にとどめを刺しに来る母。
「そんなにくしゃみしてる人、周りにおる?家族だけやろ?」
何も言い返せない。確かにそうだ。友達で頻繁にくしゃみをかましているのを見たことがない。
私は他人のくしゃみを心配をしたことがない。むしろ私があまりにもくしゃみをしすぎて、心配される側だ。
ということは、私の普通は普通ではない。自分の常識は他人の非常識というやつだ。
なんということだ。私は非常識側だったのか。
じいちゃんのくしゃみも変だった
くしゃみといえば、母方の祖父がこれまた変わったくしゃみをよくしていた。
私のくしゃみとはまた違っていて、祖父のくしゃみはありえない回数を連発するのだ。
せいぜいくしゃみは1~3回で止まると思う。銃で例えるなら単射だ。
ところが祖父は違う。
しかもくしゃみとくしゃみの間はあまり間隔を開けず連続で出る。銃で例えるならフルオートだ。
その数なんと25発以上。
祖父が目の前でくしゃみをしている中、声に出して25発までは数えたから間違いない。
私がそうやって目の前で数えるもんだから、落ち着いてくしゃみができなくなった祖父は別室に行ってしまったので、確実に25発以上は出している。
ていうか当時の私ひどいな。
でも何かと便利な光くしゃみ反射
悪いことばかりではない。
鼻がむずむずしてくしゃみが出そうで出ない時は、まぶしいところを見ればいいからだ。
こういう時はこの体質で良かったと思える。
光だけじゃない。私のくしゃみの原因
実は私がくしゃみを出す原因は、まぶしいだけではない。
それは埃。
家の掃除をした時、タンスから久しぶりに服を出した時、洗濯物を畳んでいる時、寝ていた布団をバサッと大きく動かした時。
必ず鼻がむずむずしてくしゃみが出る。
多分これはアレルギーもあると思う。もはや日常生活に支障をきたしているレベルかもしれない。
私の人生と切っても切り離すことができない生理現象のくしゃみ。
街中でなんの前触れもなく太陽の方向にゆっくりと顔を向ける人がいるかもしれない。
その時は(くしゃみが出そうな人なんだ)と影から見守っておいてほしい。
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