夜の散歩で近所をぶらぶらすると、何となく野良猫がどのあたりに住み着いているかわかってくる。
そのうちの1匹の野良猫が人懐っこいかわいい猫なのだ。
まずはご挨拶
いつも夜になると現れる猫で、いわゆるサビ柄という柄だ。
夜に見かけるから、猫の目はくりんくりんに丸くてその時点でかわいい。
少しだけ近づいてしゃがんで猫との距離を測る。
猫が逃げるそぶりを見せなければ、しゃがみながらも少しずつ猫に近づいて、触れる距離まで詰める。
距離を詰めて手が届く位置に来たら、まずは猫の鼻に指を近づけて匂いを嗅いでもらう。猫界ではこれが挨拶になるらしい。
鼻を近づけてフンフンと匂いを嗅いでもらったら、猫の方から顔を擦り付けてくることがある。こうなったらもうこっちのもので、思う存分触らせてもらえる。
なんで信頼してるの?
いつもこの猫は挨拶が終わると、しゃがんでいる私の脚やお尻に匂いを擦り付けつつ、私の周りをぐるりと一周する。
そしてお尻を私の体に当てながら座り込むのだ。
お尻を向けて座るというのは、猫界では信頼の証らしい。
私からしたら(餌をあげているわけでもないし育てているわけでもないのにこんなに信頼されていいのか)という若干の疑念は抱くが猫が許してくれるならまぁ悪くないだろう。
でも何でこんなに私に懐いてるんだ?
お腹丸出しまでしてくる
遠慮なくまずは猫の頭を撫で回す。猫は目を閉じてうっとりとしている。
そのまま肩や背中を撫でると、猫はどんどん体が伸びてきてゴロンと横になる。よっぽど気持ちいんだろう。
調子の乗っている私は、ゴロンとなった猫のお腹も触ってみる。すると猫にとっては急所なので普通は誰にも見せない場所なのに、この猫は早々に私にお腹を向けてくる。
何なんだこの猫は‥。
もう言葉が何も出ない。それぐらい私は困惑している。よく野生で生きていけてるな。
私が恐る恐る猫のお腹を撫でるが、猫は相変わらず気持ちよさそうだ。何なら喉をごろごろと鳴らしてまでいる。
本当よく野良猫やっていけてるな。
近くには缶詰が
夜に一人で猫を撫でくりまわしていると、急に自分が怪しまれていないか不安になることがある。
キョロキョロと周りを見渡して、周りには誰もいないか確認すると、道路の端っこに開封されてすでに食べられた後のある猫の缶詰が置いてあるのを見つける。
おそらく誰かが、今私が撫でている猫のために置いて行ったんだろう。
ただ野良猫に餌をあげるという行為は、近所迷惑にもなってしまう。
確かに猫はかわいいが、安易な気持ちで餌をあげるのはダメだと思っている。それだったら責任を持って家猫としてお迎えしてあげてほしい。
そして触ったら、家に帰ってすぐに手を入念に洗う。一応野良猫は外で生活しているので、どこに足を踏み入れているかわからないからだ。
またあの野良猫に会えるかなぁ。
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