【読書感想】鳥っておもしろい生き物だし、著者もおもしろい「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」川上和人著

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ひっさしぶりの読書感想記事。本は読んでたんだけど、推理小説だったから感想が書けないでいた。

この本は著者の名前を見て、なんとなく名前に見覚えがあるような‥。どこでみたんだろう?

そんなモヤモヤを抱えつつ、名前を検索してみると一気に視界がぶわっと明るくなった。

NHK子ども科学電話相談に出てる先生だ!

とはいえ私はこのラジオ番組を聞いたことがなくて、Twitterのトレンドにこの番組名があがるのを見た程度。

でもこうやって子ども相手に疑問をわかりやすく解説する番組に出ているんだから、本だってきっとわかりやすいんだろうと思い、図書館で借りてみることに。

この本では普段の私たちの生活に関わるところから鳥についての話題を広げ、より鳥について深く知ることができる。ハトやスズメやカラスぐらいしか知らない私でも、他の鳥について楽しく理解ができた、おすすめの本でもある。

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研究者たるもの

生き物を相手にする研究では、生き物が住んでいる場所に赴かなければいけない。それは私も頭ではわかっていたが、この本ではそれがいかに過酷なものかが書かれていた。

無人島に上陸するための準備として、海を泳ぐために体を鍛えたり、持ち物全てに外来生物が付着しないようにきれいに洗ったり。

またあるときは、耳の中に蛾が入り込んでしまったり、炎天下にさらされ続けた結果不格好な日焼けをしてしまったり、落石の可能性のある危ない場所で野営をしたり。

とにかく体を張って鳥類の観察や保護をしていることが書かれている。

特に鳥類は空を飛べてしまうため、大体どんな島にも生息しているらしい。見るからに噴火していて出来立てほやほやの新しい島にも、鳥は住み着いているらしい。

またいくら飛べるからって未知の島に飛んでいくのはリスキーな行為だから、住み着いてしまうとその島から動かなくなることもあるそうで、しばらくするとその島固有の鳥となる。

飛べるからって自由にフラッとどこかへ行く旅人ではないんだなぁ。

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キョロちゃんを真剣に考える

チョコボールのキャラクターでもあるキョロちゃん

チョコボールの形を模しただけのただのキャラクター、としか私は思っていなかった。

ところが鳥類学者の頭にかかれば、どんなところに住み、どんなところで生活し、どんなものを食べているのかを、いかにもな理由をつけて実在の鳥のように説明してしまう

知識を持っていると、想像が信ぴょう性を増してしまうなんて、冗談を見分けるためにも知識ってないと損だなと改めて考えさせられる。

鳥類学者でないとこんなにキョロちゃんについて語れないだろうな。

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ネズミだってヤギだって

弱肉強食だったり、食物連鎖だったり、とにかく生き物は単種だけで生きることはできない。生き物は生態系の中に組み込まれていて、必ず他の生き物にも影響を及ぼしている

島内で一部の生態系が崩れてしまうと、たちまち生態系全体が大きく崩れてしまい、生き物が絶滅してしまう恐れがある。

それを防ぐために、人間は繁殖しすぎた脅威ある生き物を人間の手で駆除をすることがある。

私が聞いたことがあるのはヤギの駆除だ。

ヤギだって最初からその島にいたのではなく、人間が生活するために連れてきて、その島に人間が住まなくなってもヤギをそのままにしてしまったのだ。

ヤギは断崖絶壁の険しい島でも生きていけるし、繁殖力もすごいし、草や果実や木の皮まで食べつくしてしまうため、島が砂漠化してしまうという。

そのせいで他の生き物が住めない島にしてしまったのだ。

元はと言えば人間のせいなのに、最後はその人間によって駆除される。ちゃんと始末をつけたと言えば聞こえはいいけど、ヤギからしたらたまったものではない。

生き物を人間の勝手で住処を変えてしまうという行為の重さを私は改めて感じた。

ネズミも同様に繁殖力が脅威的に強くて、駆除の対象になるらしく、しかも駆除をするのであれば徹底的に撲滅しなければならないらしい。1匹でも島内で生き残らせてしまうと、たちまち元の数に増えてしまうとのこと。

ヤギはまだしも、ネズミはちょっと飼えないし食べられないからなぁ。

こんな感じで鳥だけでなく、他の生き物についても詳しくなることができる本だった。

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